総理大臣 小泉純一郎殿
公明党代表 神崎武法殿
公明党 衆参両議員各位
我々の友人である今井紀明さんを含む三人が拘束され、一週間が経とうとしている。我々は、我々のできることをこれまで必死で行ってきた。
小泉首相が、被害者家族に会わない姿勢はまったく理解できないばかりでなく、平和と人権を掲げる公明党すらも被害者家族と会わないことは、まったく理解できることではない。
「イラク人質事件」について、現地NGO各団体は、必死に「3人の命を守るため自衛隊の撤退を」「撤退すれば、民間の復興支援が活動ができる」「イスラムの敵ではないというメッセージを(政府は)出し続けよ」と、繰り返し叫び続けている。
現地NGOは、自衛隊派遣前から、自衛隊の派遣は、口をそろえて、民間レベルでの「人道復興支援」の妨げになるだけでなく、彼らが武装グループに拉致されたり傷害を受ける可能性を警告し、自衛隊派遣が行われた状況でも、必死に自分たちの立場で慎重な安全確保と、継続かつ着実な「人道復興支援」を行い続けている。
現地で活動しているNGOやボランティアのグループは、イスラム社会のルールを尊重して、現地部族長などとしっかり話をして、現地に受け入れられる形で、着実な活動を行っている。
それに対して、自衛隊は、自己完結の状態で、「武装」し、目立つ「日の丸」と「緑の迷彩服」で、街を「装甲車」で走りまわっている。これは、「日本の情報が限られた」イラク人から見れば、アメリカに加担する軍隊としか、受けられない。アメリカからの「ショー・ザ・フラッグ」の行為としか言いようが無い。
自衛隊派遣前から、NGOや我々の主張を繰り返せば、
「効率の悪い水の給水より、イラク人による水道設備を!
ただの薬の給付より、イラク人による製薬施設を!
イラク人技術者による、イラク人のための電気施設を!
学校を立ててもらうより、イラク人による学校建設とイラク人によるイラク人のための教育を!」
という、どこまでも現地のイラク人の立場に立った「人道復興支援」が望まれるわけであり、その民間レベルの高い志で、NGOは「自衛隊の百倍以上」の活動を行っており、将来にわたるイラク人との「信頼の絆」という意味では数百倍の価値となるであろうと我々は考えている。
自衛隊を自己完結で活動させていくだけのお金があれば、失業に苦しむ、どれだけの現地、イラク人を雇用できるだろうか。治安が安定するだろうか。
現実NGOの活動に比べれば、自己完結の自衛隊の活動は、極めて微々たるものでしか過ぎない。また、現地の反感や不信をかうものでしか過ぎない。そして、自衛隊の派遣の意味の説得・政府の交渉不足を補っているのは、自分たちの安全がかかった現地のNGOの人々である。公明党を含む政府はこの努力を自分たちの都合の良いプロパガンダとして使い、国民を騙すのは止めるべきである。
自衛隊がイラクに存在している限り、今後も武装グループによる拉致事件が、場所を問わず、頻発する可能性は十分にある。
政府は、現地日本人に「退避勧告」を要請しているが、現地で信頼を獲得してるNGOが現地からいなくなってしまえば、アメリカの多くの非武装の民間人を殺害する(ファルージャの犠牲者は800名を超える)「占領統治の失敗」により、ただでさえ治安状況が悪化している「サマワ」を含むイラクにおいて、「自衛隊そのものが、レジスタンスの標的」となり、イラク復興支援法で定義付けされている自衛隊の「戦闘行為」が現実のものとなり、イラク人を殺してしまえば、国内における大きな「テロ」が「現実のものとなる」ことを意味している。
原理主義組織や過激なテロリストの「限られた情報」の一つとして、アメリカは、同盟国として、イギリス・スペイン(列車テロで撤退を決定)の次に、日本を「3番目」に、あげている。
この現実から考えても、「自衛隊の撤退」以外に、危険極まりない「テロ」の可能性を避ける道はないと我々は主張する。
政府は、アメリカの武力行使に対しては明確に「抑制」をかける意思を表明するべきであり、シーア派を含む反フセイン勢力が、明確に反米の意思表明と行動を行っていること、ファルージャで行ったアメリカの虐殺を直視し、ゲリラやレジスタンス、テロリストの明確な動機や心理の分析、イラクで起こってる現実の分析を行っていくべきであり、公明党の意思決定責任者は、見識のない議員のいたずらなテロへの恐怖心に振り回されるのではなく、「人間主義」の立場に立って、人間としてのアラブ人を信頼し、対話・意思決定を行っていくべきである。
池田SGI会長は常に「国連を中心とした世界秩序」を模索している。国連決議を悪用して侵略戦争を支持し、アメリカの戦争に加担した「大罪」は、逃れられないとしても、合法的な筋道を立て、「イラクに安定は無いこと」イラク復興支援法で定められた「戦闘行為」が行われている国であることを、アメリカに訴え、「国連の決議」を尊重し、「国連と連携」を取り、「国連を中心とした国際社会の結束」を呼びかけ「撤退の大義」の筋道を立てて、速やかな行動を行うことを、我々は、公明党および政府に、強く要求する。
2004年4月15日
行動する平和憲法のネットワーク
World Citizens Renouncing War